がんばれないひと。

統合失調症歴9年。34歳男の雑記です。統合失調症の能力を示すのが目的です。

『ホモ・サピエンス全史』を読んだ。

三島が文学で表現したものを科学的に表現するとこうなる、って本です。

 

そういう視点でみると面白いかもしれませんが、

 

要はホモ・サピエンスが言語によってライバルであったネアンデルタール人よりもいきのびることができた、と綴ってあります。

 

僕は単純にそういったことっていうのはこの本の作者は歴史や社会学的や科学をもってして説明をするんですが

 

哲学の分野ですでにずっと前から考え続けられていたこと、というふうにしか思えませんでした。

 

そういう意味で池上彰と対談した!というこの本についている帯のそこまではいいんですが、

 

本の裏の著名人のコメントは社会的立場上重鎮のような人のものが載せてあるんですが

 

この本の趣旨である、貨幣の構造自体に虚構性がある、は興味深い推察、みたいなコメントはなんだか冴えないなあと思ってしまいましたね。

 

経済人って大御所の人は三島を理解していないのでしょうか、あるいは日本の哲学者でもある永井均とかそれこそ長らく思想界の最重要人物とされている言語哲学者のウィトゲンシュタインとかね。

 

あそこに全部描いてありますよ。

 

一番わかりやすい例でいくと三島の『豊饒の海』だと思うんですね。

 

豊饒の海というのは月をさすのですが

 

豊饒のものが月には何もない。

 

つまり月には何もないのに豊かであると題名した小説を書いているのです。

 

そしてそれは三島の遺作となったわけなのですがかんたんに言うと芸術も宇宙の真理も言葉も水も空気もなんであれ、

 

絶対不変なものがない。

 

タイトルにあげた本では、ひとつ説明すると、宗教とかそういった組織ができたのも、物語をつくりだす人たちがいて、ふだんはその日暮らしに狩りをしていた人たちがいわば共同の幻想のようなものを信じることによって集団が強く生き延び繁栄していった、と。その物語というのは言葉でできているわけです。

 

当たり前だけど。

 

で、その言葉っていうのは嘘、虚構、偽物、そういった要素が言葉そのものの存在のなかに内在している性質なのです。

 

そこを三島も永井さんもウィトゲンシュタインもおろそかにはできなかったんですね。

 

なんでだろうという疑問を突き詰めていったんだと思います。

 

ホモ・サピエンスが生き延びていった理由に言語があると決定的に言えるのであれば、言語から成り立ったさきほどの例でいくと宗教を信じる組織、それが大きくなって国になって、その国が発行する貨幣に虚構性があるのは、数学上の演繹法により自明のことなんじゃないかと思います。ま、そこを文芸ではない視点で書いているのが冒頭でもいったとおり、わかりやすいとかそういう感じで受けているのでしょうが、さして真新しい内容ではありません。