中田英寿が今でももっとも成功した日本人サッカー選手である理由。

サッカーおたく話になってしまいますが、中田ってあまり知られていない話かもしれないのですが、

 

マラドーナが選んだサッカー選手100人に入っているんですよ。これはけっこう衝撃があるもので、もしメッシやロナウドが引退したときに彼らがのちに自身が選ぶベストサッカー選手に日本人が入るかというと微妙な感じがします。

 

でも忘れずに付け加えておきますが、アジア人でもっとも成功したという意味でのサッカー選手は元韓国代表のパクチソンなんですけどね。

 

マンチェスターUの黄金期で主要メンバーだったわけですから。

 

一方中田についていえば、マラドーナはこんな評価をしていました。

 

「もし、日本代表の選手がみんな中田のようであったらたちまち世界の強豪の構図は変わるであろう」と。

 

中田にまつわるエピソードってほかにも面白いものがあって、有名なところでは中田と中村俊輔のサッカー哲学の違い、

 

というものがあります。

 

これはサッカーをやったことがあるひとなら経験があってイメージしやすいと思うのですが、

 

中田って切り返せる場面で切り返さずに縦に行くんです。中村俊輔などにあるようにサイドでボールを縦に運んでいって敵がきたとたんに内側に切り返してかわし一呼吸おいてその後なかにパスを出すのがそれまで通例だったのです。もちろんシチュエーションによってはそっちの方が断然いい場合があるのですが、中田はなによりスピードを要求したんですね。

 

ぜったいに縦にとっぱしてそのままクロスをあげるから、ゴール前にいろ、とそういうスタンスだった。

 

これは長年サッカーをやってもいたし、みてもいたんですが、話をきいたときなるほどなあと思ったんですね。

 

僕は。なんでかというと中村俊輔に代表されるボールポゼッションに長ける選手ってみんなそうやって内側に切り返してワンプレー遅らせていたし、それが別に悪いプレーだとも捉えられていなかったんですね。むしろ上手なプレーだと。

 

まあ相手をかわすにはかわすわけですからね。

 

そこに中田はメスを入れたわけです。

 

切り返すことなく縦にとっぱしてクロスがあげられれば、ゴールに直結するプレーが増えるんですよね。

 

僕はマラドーナはそういうところもちゃんとみていたと思うんです。

 

中田は合理的なサッカーを好み、とにかくスピーディであることを望んだので、相性のいいフォワードはみんな足がはやい選手でした。

 

でも個人的なことをいえば、

 

僕は中田のプレースタイルは好きではなかった。

 

いまにしておもうと中田はトリッキーなプレーはまったくと言っていいほどなくて、堅実でゴールに直結するプレーの最低限の基礎だけでやってきたような選手の印象があるんですね。

 

ゴールシーンなんかをみても中田らしい!というプレーは少なくて、どこかでみたようなゴールシーンばかりだった。

 

それに比べて中村俊輔には中村俊輔らしい得点は山ほどあります。フリーキックしかり、ロングシュートしかり。

 

最近、ハリルホジッチ監督が中村俊輔のプレーをみて、彼がもう少し若かったら、と嘆いたニュースがあがってきましたが、

 

それは全日本代表のファンが思っていることのような気がします。

 

中村俊輔は中田と違い多彩なキックがありますからみていて面白いし、純粋にサッカーの技術をきわめたプロとしての一面があります。

 

ただ中村俊輔はほんとうに残念すぎる欠点があって、ハリルホジッチは若さが欲しいという表現をしましたが、ようは中村俊輔って足がおそいんです。

 

どちらかというと古き良き時代の司令塔なので、現代サッカーにはマッチしないところがあります。

 

中田が今でももっとも成功したサッカー選手と言われる所以はここにあります。

 

中田は技術を極めることをある時点を境にやめて、

 

効率的なサッカーをはじめるようになったんですね。で、それは海外においてやっていくためにはどうしても必要な要素だったんです。

 

この現実に即するためには、技術以外のところに革新をもたせるという努力に関してはだれも真似できない芸当だったんですね。

 

これが中田が今でも評価されているところでもあります。

 

ビジネスマンにたとえると自社工場が持っている商品の技術を捨てて、新しい方法で新商品を開発するのと似ています。

 

そしてそうやってかけをして海外でも評価された。若すぎる引退は、あれは自分の計画がうまくいって成功したという自信が、別にサッカーという世界ではなくても通用すると踏んだからなのかもしれませんね。

 

でも最後に繰り返して書きますが、僕は中田のプレーをみていて面白いとは思いません。

 

味のあるプレーとは皆無で、現代サッカーはますますそういうのが減っている傾向にあるように言われますが、

 

最近はまたそうでもないような気がしてきています。なにせ王者のように君臨しているのがあのロナウドとメッシですからね。

 

たとえがちょっとあれですが、あの二人は中田のいいところと中村俊輔の味のあるところを両方持っているんです。

 

そうでなければバロンドールなんて何回も受賞できませんし、そしてロナウドとメッシにはほかにも日本人にはだれ一人もっていない要素があります。

 

それは得点です。とにかくゴールを決める。中田は惜しかった。中田のような革新的なメソッドをもった選手が日本にも当時いたのであれば、チームメイトに救われるということもあったかもしれませんが、結果は早期引退でしたね。

 

サッカーは人生の縮図なのでよくそのあたりを理解して、浮き沈みがあったりすることも勘案しての引退だったのかもしれませんが、またサッカーの世界に戻ってきたらなにをやるのだろうという期待はありますけどね、一サッカーファンとして。