がんばれないひと。

統合失調症歴9年。34歳男の雑記です。統合失調症の能力を示すのが目的です。

映画『ブロークバックマウンテン』の評価。

映画っていろんなひとに影響をあたえるものですよね。

 

でも。

 

昨今の、コンテンツの消費のはやさからするとぱっと有名になったものはその場かぎりの消費で終わってしまうものもあるかと思います。

 

そんななか、世代がふるい名画はおいておいて、最近の映画でこれだけはみておいた方がいい、という映画のなかにアンリーの『ブロークバックマウンテン』は必ず入ります。

 

芥川賞せんこういいんの長である村上龍は、現代はひとに影響を及ぼせるスターがほとんどいないなか、アメリカにはアンリー監督がいる、と言っていました。

 

で、この映画なんですが、

 

現実的な効用も多いのです。

 

特に映画映えというものに面白みを感じている人であれば、ヒースレジャーや名前をど忘れしてしまいましたが、ジャック役の俳優の演技は素晴らしいです。

 

まずカウボーイハットが似合いすぎています。

 

日本人の9割はカウボーイハットなんて似合わないでしょう。まあこれは日本人は顔が物理的に広いひとがおおいので、つばが大きい帽子はなかなか似合わないですね。

 

で、この映画がアートフィルムとはいっせんをかくすのは、

 

ジャックやイニスがいかにも自然体でいることです。僕はウオンカーウィの映画に出てくる、トニーレオンやレスリーチャンをかっこいいと思っていたじきがありましたが、

 

あれは文化人うけはしません。

 

なぜならアロハシャツや裸でブリーフ姿がいかにもアートフィルムだからです。

 

ひとつにはイニスやジャックが健康的な肉体美なのにたいし、アートフィルムは線が男でもほそいですね。健康志向の現代には通じない美的センスかもしれませんね。

 

JPOPやロックバンドに出てくるミュージシャンみたいで、ちょっと青臭いし、若い女の子うけしすぎているんです。

 

ところがブロークバックマウンテンのジャックやイニスが似合うのはジーンズにブーツにアウトドア系のアウターです。

 

これはくせがありません。

 

ふつうにいそうな純朴な青年たちなのです。それでそういう青年たちが時代のはやりすたりに影響されず愛し合いうまくいかずというようなストーリーのなかで、特に注目すべきは質素さです。

 

質素がどれだけ男としてかっこいいかを示した映画がブロークバックマウンテンであり、愛情の形がどれだけシンプルだけど万人の心に響くかをみせつけたのも、あのイニスやジャックの顔です。

 

煙草なら上着のポケットに入っていると奥さんに言ったときのイニスはほんとうにかっこよかった。あのシーンがかっこよすぎてタバコを吸っている人がもしいたとしたら僕はおそらく好感が持てると思います(笑)。

 

個人的には淀川長治が生きていたらなんと言っただろうか、というのが非常に気になりますが、絶賛したのは間違いないでしょう。淀川長治だったらこの映画をどんなふうな言葉で表現したか、今度その内容を推測で書いてみようかと思います。