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がんばれないひと。

統合失調症を発症して八年目。思っていることとか人の役に立ちそうなことを書いている雑記ブログです。

山崎ナオコーラの名言、「さよならは言いたくない」。

作家、山崎ナオコーラが短編で書いてましたが、僕が好きな話があって、

 

さよならを言いたくないイケメンが、さよならを言いたくないが故に交際する女と曖昧な関係のまま、次々と好意をよせられたら新しい女の子とそれに応じる行動をとり、周囲の人間から反感をかってまでも、ずっとただ「さよならはいいたくない」がために別れるという選択をとらない奇異な男の話を書いていますが、

 

僕は山崎ナオコーラが書いているものが、あんまりこういったらなんですが、いわゆる、奥深いとか、普遍的であるとか、独特である、みたいな形容はない気がするんです。

 

実際に芥川賞はまだとれてません。でも”感覚”という面ではすぐれているものがあるように思うんです。

 

僕は上述した話の男の心理がわかるんですね。

 

risrpd.hatenadiary.com

でも書きましたが、より高次元の愛情みたいなものは、一人への愛を考えるのではなくより多くの人への愛を考えるようになる、というのは理解されやすい話だと思うんです。

 

でもまあそんな男と女の間の話はおいておいても、僕は友達に会うときはちゃんとバイバイまたねって挨拶するのが好きです。

 

それははっきりと「今はこの場から去るけれど、またいつでも会えるよね?」

 

というのを前提として、やっているものです。

 

でもこれが去る職場となると、話が変わってきます。おそらく職場だけ、仕事だけのつながりだった人とは、仕事をやめたら一生会うこともなくなる人が僕の場合ほぼ全員です。

 

僕はあんまりいっしょに仕事をする人に対しては、強い感情も弱い感情も持たない人です。どうでもいいといったらそれまでですが、別にすごく好きでもないし、すごく嫌いというわけでもない。

 

ただ、ああこの人と一緒に仕事するとやりやすいなあとか、逆にあの人の場合はいろいろ気を使わなくてはいけなくてちょっと大変だなあ、とかそういうのを思うくらいの感想はありますが、

 

さして特別な感情を抱く人間は、ドラマみたいには、僕にはないんです。

 

なので仕事以外では会わないし、職場でも踏み込んだ会話はしない。そこで職場をいざ去るときに「さようなら」を言ったら、ほんとうにさようならですよね。

 

それがたまに心にひっかかるときがあります。

 

「お世話になりました」のあとに「また来週のいついつに伺います」みたいには

ならなく、せいぜい「お世話になりました、ありがとうございました」でおしまいです。

 

暗に、もう会うこともない、というのが自分も相手もわかっている。心の中でそう考えているときに僕はいつも山崎ナオコーラの話を思い出す。